星さん星さん。トレースの次は何するんだい。
ざっくりしすぎで誰かわかんないよ!
初心者にゼロから丁寧にレザーカービングをまるっと教える星「ヤライボシ」だよ。
そろそろ覚えてよ!
(くせがつよいなぁ)
で、お星様。
次は何をするんだい?
覚える気ないな。。。
次は「カット」だよ。
レザーカービングといえばこの工具、「スーベルナイフ」を使うよ。
そうそうこれこれ。
憧れてたんだ〜クルクル回るナイフ。
持ってるだけでレザーカーバーっぽいよね。
今回の目標はここまで
単にフレーム部分をカットしただけですが、直線と曲線の組み合わせのため、意外と覚えることが多い記事です。
この記事を読めば、スーベルナイフの使い方、直線のカットのコツ、曲線のカットのコツがわかります。
今回の記事は16枚の画像と2個の動画でしっかり解説したつもりですが、わかりにくい点があれば遠慮なく質問ください。
単純なカットだけど、いろいろコツが集まってるよ。
カットに使う工具はこれだけ
①トレースした革
②スーベルナイフ
③ルージュスティック
④霧吹き
⑤ファスナー付きポリ袋(ジップロック)
トレースした革
前回、トレースフィルムを使って図案を写した革です。
まだ読んでない方は、こちらを先に読んでください。
スーベルナイフ
革にトレースした図案にそって切り込みを入れたり、カービングの最後の方の工程で飾りをいれたりするのに使います。
U字の指を置く台座がクルクル回るので、刃先を回転させながら細かなカーブをカットすることができます。
粗悪品〜海外製の高級品まで様々な本体と、替え刃があります。
作りたい図案や好みで組み合わせて使います。
とりあえずシェリダンスタイルがカットできる組み合わせなら、どんな図案でも大丈夫だよ。
オススメのスーベルナイフと替え刃の組み合わせは、こちらの記事で紹介しています。
購入したての刃はあまり切れません。
刃の研ぎ方については、別記事で解説します。
ルージュスティック
スーベルナイフの切れ味を復活させるための道具です。
トコ面に青棒っていう研磨剤をすり込んで使います。
詳しい使い方と、簡易版の作り方は別記事で紹介するよ。
霧吹き
革が乾いてきたときは、霧吹きで適度に水分を追加します。
オススメの霧吹きはこちらの記事をどうぞ。
ファスナー付きポリ袋
いわゆるジップロックですね。
休憩したりするときに革が乾燥しないように保管するのに使います。
使い方は、革を入れてファスナーを閉じるだけです。
長時間保管するときは、冷蔵庫で保管します。
長期間保存するとカビが生えるから、2週間ぐらいで作りきろう!
スーベルナイフの持ち方
持ち方はこんな感じです。
人差し指をU字の上にのせて、親指と中指で滑り止めの先あたりを持ちます。
刃をつかむイメージで持ちます。
刃は持たないよ。
スーベルナイフで直線をカットするやり方
練習用にハギレを用意してください。
本番の革と同じように水で湿らせます。
型紙の外の余る部分で練習してもいいよ
直線カットのポイント
直線カットのポイントは次の通りです。
①奥から手前にカットできるように革の向きを変える
②スーベルナイフの刃の向きをカットする向きに合わせる
③スーベルナイフを立てる
④一定の力と速度で手前に引く
①奥から手前にカットできるように革の向きを変える
直線カットで一番困るのは、狙った場所にまっすぐカットできないことです。
まっすぐにカットできない主な要因はゴールが見ていないことだと思います。
奥から手前に革を配置することで、カットのスタートとゴールを一直線上に捉えることができるようになり、途中でズレにくくなります。
もちろん横や斜めでもまっすぐカットできれば問題ないよ。
これから始める人は、奥から手前をクセづけた方がいいよ。
②スーベルナイフの刃の向きをカットする向きに合わせる
刃の向きにしかカットできません。
カットしたい方向に刃の向きを合わせます。
③スーベルナイフを立てる
立てるってどのくらい立てるの?
革に対して垂直ってこと?
刃は横についていないから完全に垂直だとカットが進まないよ。
カットの進行方向と反対側にナイフを15度くらい傾ける感じにするといいと思うよ。
感覚的な話だから、だいたいでいいよ。
立ててる(起こしている)状態がこちら。
革とスーベルナイフの刃の触れている箇所が多いほど、まっすぐに進む力が大きくなります。
できるだけスーベルナイフを立てて革との触れている箇所を増やせば、定規なしでもまっすぐにカットできます。
ただし完全に立ててしまうと、刃がついていない部分が革に引っかかり、カットが進まなくなりますので、少しだけ傾けるのがコツです。
寝かせてるのがこちら。(曲線をカットするときはこんな感じ)
④一定の力と速度で手前に引く
カットのコツにフェードアウト(徐々にカットが薄くなる)がありますが、今回カットするのはフレーム部分をカットするので、カットの強弱は必要ありません。
一定の力と速度でカットします。
フェードアウトの技術は、フラワーカービングで登場するよ。
直線カットの練習
フリーハンドでカット
スーベルナイフを立てて、できるだけまっすぐ腕ごと手前に引くんだよ
定規を使ったカット
定規にそわせてカットすればいいよ。
カットの深さが一定になるようにだけ注意してね。
動画による解説
動画でも解説しているよ
スーベルナイフで曲線をカットするやり方
曲線カットのポイント
①奥から手前にカットできるように革の向きを変える
②スーベルナイフの刃の向きをカットする向きに合わせる
③スーベルナイフの刃を寝かせる
④カットは90度まで
①奥から手前にカットできるように革の向きを変える
直線のカットと同じです。
ゴールが見えるように革を配置します。
②スーベルナイフの刃の向きをカットする向きに合わせる
曲線にそってカットするので、刃の向きは横になります。
刃を回しながらカットするので、最初に90度分、指をヒネった状態でナイフを持ちます。
③スーベルナイフの刃を寝かせる
刃の接触幅が広いと直線カットになるので、逆にナイフを倒して接触幅を狭くします。
カットの自由度が増えるので、図案をよく見て、ゆっくり曲線に添わせながらカットします。
④カットは90度まで
無理して指をヒネったり、革を回したりすれば90度以上カットできます。
ただ、慣れないとカットラインがズレてしまうことが多いので、初めのうちは90度ずつ分割してカットするようにした方が良いと思います。
本番カットをしよう
直線と曲線の境目に目打ち
トレースの過程で線が図案から少しズレてしまいます。
直線部分を明確にするために、直線と曲線の境目を目打ちではっきりマークします。
曲線と直線の境界を探してね。
直線部分を定規でカット
定規を目打ちの始まりと終わりに当てて、一定の力で奥から手前にカットします。
目打ちの終わりを通り過ぎないように、少し手前で止めて様子を見ます。
目打ちの少し手前で止めるぐらいの気持ちでちょうどいいよ
直線部分のカットが終わりました。
トレースしたラインとカットしたラインが少しズレているのがわかります。
このぐらいのズレは刻印を打てば気にならなくなるよ。
慣れてきたら、直線部分はトレースせずに目打ちで印をつけるだけにするのもありだよ。
曲線はフリーハンドでカット
直線のカットの終わりの少し手前に刃を入れます。
そのとき、刃の方向に合わせて指をひねった状態にしておきます。
ひねりを徐々に戻しながら、ゆっくりカットを進めます。
終わりは次の直線のカットにつなげます。
動画で解説
まとめ
この記事では、下記のことを解説しました。
①スーベルナイフの持ち方
②直線のカットのやり方とポイント
③曲線のカットのやり方とポイント
次はベベラを打つよ。お楽しみに