さぁさぁ、いよいよ打刻するよ。
木づちとか、ラウンドモールの準備できてるかな?
もちろんさ!
ベベラ?っていう刻印も用意したよ。
でもベベラ刻印一つとってもサイズや色や値段がイロイロあって、どれ買えばいいか迷ったよ。
大体の図案で使いまわせるオススメの刻印を紹介しているから、それだけそろえればOKだよ。
刻印の種類、役割と打ち方だけ覚えてね。
あとはサイズの違いとか模様のバリエーションだけだから好みで増やしていけばいいよ。
ところで僕はまったくの初心者さんだからね。
刻印?の持ち方から、しっかり説明してくれたまえ!
しょ、承知しました。
(なんかエラそうだなぁ)
今回の目標:ベベラが打てたよ
ベベラ刻印を打ち終わった状態です。
図案で写した枠の線の内側に傾斜がつきました。
枠はこれで完成です。
ベベラの打刻に必要な工具はこちら
今回のベベラを打つときに使う工具や刻印、その他道具です。
たりないものがないか確認にどうぞ。
①カットした革
②のびどめ
③ベベラ刻印(SKB702-2, SKB701-2, SKB936-2)
④霧吹き
⑤うち具
⑥ウェイト
①カットした革
前回スーベルナイフでカットした革です。
まだ準備できていない方は、こちらの記事に準備の仕方をまとめていますので、確認してください。
②のびどめ(養生テープ or のびどめシート)
刻印を打つと革が伸びます。
できるだけ伸びないように、テープを貼って予防します。
貼らずに打刻すると、伸びて図案が崩れるよ。
貼り方は後で説明するね。
こちらにオススメのテープを紹介していますので、ぜひ読んでみてください。
ベベラ刻印(SKB702-2, SKB701-2, SKB936-2)
シェリダンスタイル用(細かな図案用)の刻印SKシリーズです。
・SKB702-2:幅の広い細かいチェックがら(あると便利)
・SKB701-1:幅が中位の細かいチェックがら(今回の図案で必須)
・SKB936-2:幅の狭い細かいチェックがら(今回は使わない。細かなカーブのある図案で使う。)
SK刻印は通常刻印より先端の傾斜が鋭く、細かな図案でも打った周辺をつぶしにくい特徴があります。
基本的にこの3本さえあれば、大概の図案に対応できます。
僕もベベラは基本この3本しか使ってないよ。
チェック柄を入れたくないときは、他の刻印も探してみてね。
その他
霧吹き、うち具、ウェイトは下の記事で紹介しているので、参考にどうぞ
まずは、「のびどめ」をしよう
そもそも「のびどめ」ってなんのためにするの?
「のびどめ」は、打刻したときに革が「のびる」のをふせぐためにするんだよ。
バスケット刻印なんかを革の広い範囲に刻印を打つと、革がのびのびになっちゃうから、ちゃんとテープを貼って予防してね。
完全に防ぐことはできないけど、かなりマシになるよ。
打刻(革に刻印を打つこと)すると、革が刻印で押さえつけられて模様をつけてへこみます。
そして、へこむときに少しだけ「のび」ます。
バスケット刻印のように革の広い範囲にミッチリ打刻すると、少しの「のび」が大量に発生します。
少しの「のび」が積み重なると、最終的に元々考えていた図案の範囲をこえて刻印が打たれることになります。
あまり大きく伸びると作品のイメージが変わったり、そもそも型紙が使えなくなったりします。
そうならないように少しずつ発生する「のび」防ぐ「のびどめ」が大事なんです。
革のトコ面(裏側)にのびないテープを貼ることで、のびやすい革ものびないようにさせる作戦です。
それでは次に貼り方を解説します。
のびどめ用のテープの貼り方
カービング専用の「のびどめシート」という商品もあるのですが、少々お高め(30cm x 50cm ¥400くらい)なのと、粘着力が強力すぎてカービング後にシートをはがすのが大変なので、ヤライボシは使っていません。
ホームセンターなどで売っている養生テープを代用で使っています。
ここでは、養生テープの貼り方を解説します。
のびどめシートも重ね貼りをしない以外は同じように貼ります。
トコ面(裏面)を少し乾かそう
下の写真くらい白っぽくなって入れば大丈夫です。
湿っているとテープがはがれてくることがあるので、少し乾かしてから貼るのが良いです。
段差ができないように貼ろう
まずは一方向に貼ります。
革からはみ出ても大丈夫ですが、テープとテープが重ならないよう貼り付けます。
方向を変えて重ねて貼ろう
養生テープは薄いので1枚だと弱いです。
向きを変えて重ねます。
向きを変えることで、向きの違いによる強度の違いを無くします。
このときも、同じ向きのテープは重ならないようにします。
段ができると刻印を打ったときに、模様の出方が変わってしまいます。
はみ出たテープを切りとろう
はみ出たテープは、手やものに引っ付いて失敗するもとになります。
カッターやハサミで切り取ります。
ベベラ刻印の持ち方
ここでは、ベベラの役割と向きと持ち方について解説します。
ベベラ刻印の役割
ベベラの役割は図案の境界に影をつけて、前後関係を決めることです。
ムズカシイこと言いました。
簡単にいうと、カットした線を挟んで右と左でどちらを手前にするのか決める作業です。
こんな感じです。
前後関係を間違うと、仕上がりを見たときに違和感を感じる絵になっちゃうよ。
ベベラ刻印の向き
平らな面:手前にする側
斜めの面:奥にする側。へこませて影をつける。
刻印の持ち方
写真の通り4本の指で持ちます。
親指と人差し指と中指で基本支えています。
薬指で刻印の進む先をコントロールするイメージです。
前後関係はフレームが手前、バスケットが奥になるので、傾斜をバスケット側に向けて持ちます。
写ってないけど小指は指を立てて、革を抑えてバランスを取っているよ。
木づちの持ち方
特別な持ち方はしていません。
親指と人差し指で柄(え)をつまんで、残りの指で軽くにぎる感じです。
打つ時の強さの調整は振りの大きさや、柄の持つ場所で調整します。
初めは真ん中より少し後ろを持って、振ることに慣れましょう。
ベベラ刻印の打ち方
いよいよ後は打つだけです。
打って打って打ちまくりましょう。
とはいえ、ベベラの打ち方にも理屈がありますので、簡単に解説します。
ベベラの理屈
まずは下の写真を見てください。
①のNGパターンは刻印を一度打つたび一つ分だけずらして打っています。
そうすると、影と影の間にスキマができてしまい、影に見えません。
また、影の形もカマボコ状になっていることがわかります。
ダメなパターンでした。
つぎに、②のOKパターンの左を見てください。
こちらは打った刻印を1/3だけ重ねて打った影です。
①に比べるとひとつなぎの影になっていますが、完全に同じ力で打つことはできませんのでつなぎ目が少しだけ出てます。
このぐらいなら問題ありません。
最後に②の右側を見てください。
こちらは連続で刻印を滑らしながら打っています。
そうすることで、刻印間の力加減も少なく打つことができ、つなぎ目ができにくいのです。
仕上がりがキレイであることに加え、何より早く打てるようになりますので、時間が短縮できます。
いいことずくめです。
まずは1/3ずつズラしながら打って、慣れてきたら連続で打てるように練習しよう。
ベベラの打ち方
詳細は別記事で説明しますが、簡単にやり方だけ説明します。
①革の向きは奥から手前にカットラインが来るように配置する。
②ベベラの向きを確認して、革に当てる。
③刻印を進行方向と反対方向に少し倒す。
④刻印のお尻を、刻印の向きにまっすぐ打つ。
⑤少しずらして打つを繰り返す。
一周ぐるっと打てれば完成です。
ということで、さっそくベベラを打とう
下の写真の通り、直線は幅の広いSKB702-2で一気に打ちます。
カーブについては、幅が合わなくなっていると思うので、SKB701-2に変えて打ちます。
・直線:SKB702-2 幅が広い刻印でサクサク。
・カーブ:SKB-701-2 幅が狭い刻印で慎重に。
できるだけ、一定のリズムで打った方が、刻印の深さがそろいやすくキレイなしあがりになります。
少し意識して打って見てください。
しんどいと思うけど、どんな図案でも出て来る刻印だから、頑張って早く慣れてね。
応援しているよ。
まとめ:ベベラが打てたよ
①「のびどめ」のやり方を説明しました。
②ベベラの役割を解説しました。(前後関係)
③ベベラの持ち方や打ち方を解説しました。
④ベベラが打てました。
次はいよいよバスケットスタンプを打つよ。